氷河期世代のぼやき

言いたい放題

googleって終身雇用なの?

8月2日(火)の虎ノ門ニュースに、百田尚樹氏と上島嘉郎氏が出演していた。百田氏は、著書を買ったこともあるし、国防とか憲法改正とか、実に鋭い指摘をされているし、嫌いではない。でも、俺は単なる派遣のエンジニアだから経済のことは詳しくないが、上島氏と百田氏が出演したときはいつも、経済の話になると「ちょっとずれているのではないか?」と思うことがよくある。

 

一言で言うと、「あの頃の日本経済は良かった。今こそあの頃の古き良き日本を取り戻そう。」と言った主張のようだが、これはバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発をいつまでも熱く語るタイガースファンのように見えてくる。

 

8/2の虎ノ門ニュースでは、会社は株主のものではないとか、世界のトップ企業が終身雇用を取り入れているとか言ってたけどホントなの? 参院選でも参政党が「会社は株主のものではない。」と盛んに宣伝していたけど、どう考えても会社は株主のものだと思うよ。だって、株主に出資してもらって経営しているんだし、どんなに世の中が変わっても金を出す人が偉いに決まってるんだから、会社は株主のものに決まっているんじゃないの? 「会社は株主のもの」なんて、「プラスチックの原料は石油」ということと同じくらい当たり前のことだと思うよ。

 

「世界のトップ企業が終身雇用を取り入れている。」と言う主張で、「googleもそうやっている。」とも言っていたが、googleが終身雇用なんて聞いたこともない。googleのことについて触れたのは番組の終わりごろにちょろっと言っただけだからgoogleが終身雇用かどうかの真偽は定かではないが、大筋としては、「終身雇用はすばらしい。日本が捨て去ったこの制度を世界のトップ企業が取り入れている。googleもそうだ(だから、一度捨て去った終身雇用をもう一度復活させよう。そうすれば日本経済はうまくいく)。」という主張のようだ。かっこ内は、はっきりとそう言ったわけではなく、そう言いたかったのだろうという俺の推測に過ぎないのだが、厳密に言うと、捨て去ったのではなく、維持できなくなったというのが正解なのではないか。高度経済成長期のようにほっといてもガンガン経済成長しているのなら毎年売り上げは上がっていくし、どんどん人も採用しなければならなくなるから、そのような時期だと終身雇用がマッチしていたのだろうが、それがだんだん維持できなくなったから終身雇用が壊れたのではないか。俺に言わせれば、「終身雇用を復活させよう。そうすればうまくいく。」なんて、末期がん患者に「がんを直そう。そうすればうまくいく。」と言っているようにしか思えない。

 

左翼の「日本はひどい国だ。」という主張も嫌だが、保守の「日本は素晴らしい国だ。」という主張にもついていけない。もっと、世界からどう見られているのかを分析し、世界標準に合わせていかないと、給料が上がらないとか、海外から労働者がやってこないと言った問題は永遠に解決できないと思う。日本だけ鎖国して一国だけでやっていくのならそれでもいいが。そんなことは不可能だろう。