氷河期世代のぼやき

言いたい放題

日本企業は生え抜きばかり

阪神タイガースに岡田監督が就任した。第一次政権時代の2005年に優勝したし、2008年も優勝こそ逃したが結構強かったし、大事なことを「アレ」と表現するキャラクターなどもあって結構ファンからの期待も大きいようだ。

 

思い起こせば、このチームは最後に優勝してからすでに17年も優勝していない。17年間の間に2位になることは多かったし、日本シリーズに出たこともあったからそんなに低迷している印象はないけど、2003年に優勝したときは長い低迷を乗り越えての優勝だったから、「18年ぶりの優勝」と大騒ぎしていたが、来年優勝したときはまた同じように大騒ぎするのだろうか?

 

でも俺の予想としては、また優勝できないような気がしてならない。だって、球団側が優勝を望んでないから。2013年にノムさんそこまで言って委員会に出演したときにこんなことを言っていた。

 

俺が南海ホークス時代に阪神とよくオープン戦したけど、球場に向かうときの電車で隣の席に阪神の営業部長が座っていて、「我が阪神タイガースは優勝しなくていい。10年に1回でも優勝できれば充分だ。」と言っていた。なぜ優勝しなくていいのか尋ねたら「選手の給料が上がって球団がもうからないから。」との答えが返ってきた。

 

どうやら、大した努力もせずに、しょぼい試合をしても人気があって甲子園が常に満員で球団が儲かるから、そんな環境に甘えてしまっていると主張していたようだ。

 

だから岡田監督は選手や監督時代に長い時間をそんなチームで過ごしていたから心のどこかに甘えがあって、勝つことに徹しきれないのではないか。ファンはもちろん優勝を願って球場に足を運ぶのだろうが、球団としては儲かりたいから優勝は避けて、2位や3位を望んでいるのではないか?  と思ってしまう。やはり、勝つためには何でもやる落合監督みたいな人を外部招聘するのがいいのではないか?  生え抜きやOBを監督に重用するのは何も阪神に限ったことではないが、阪神の場合は「甲子園が常に満員」と言う特殊事情があるから、ときどき外部の血を入れた方がいいように思う。

 

外部の血を入れた方がいいというのは日本企業も同様で、いろんな派遣先で働いてきたけどどの派遣先もトップは生え抜きで内部昇格したおじさんばかりだった。別に経営者になるつもりでその会社に入ったわけでもなく、経営者になるためのキャリアを積んできたわけでもなく、減点主義の組織の中で働いてきて、たまたま失点の少ない人がどんどん昇進していって経営者になっただけではないか。そんな経営者ばかりだから、前例踏襲主義でデータ偽装などこれまでやってきたことを変えられず、じわじわと衰退するだけなのではないか。現場の感覚を持つのは大事だが、現場で働くのと経営するのは違うのだから、海外のように経営は任期付きでプロ経営者にまかせたほうがいいのではないか?

 

経営者もそうだけど、現場で働く人も、日本では生え抜きと外様の差別があるように思う。以前の派遣先でも、派遣の俺はいくら実績上げても何も言われないのに、新卒1年目の社員はちょっとしたことでベタ褒めされていた。取締役は、普段はムスッとしているくせに、新卒1年目の社員にはニコニコしながら話していた。「ああ、この人こんな笑顔見せることもあるのか。やはり生え抜きの方がかわいいんだろうな。」と暗い気持ちになった。