氷河期世代のぼやき

言いたい放題

非正規雇用にとって腹立たしい春闘

毎年1~3月ごろになると春闘のニュースが盛んに流れてくるが、今年は特に、物価高の影響を受けて、組合側も それを報道するマスコミも それを評論するコメンテーター側も「賃上げすべきだ。」との主張が濃くなっているような気がする。

 

だがちょっと待って欲しい。やってる仕事は前年と同じなのに毎年給料上げろと要求すること自体がどうなんだろう?

 

春闘のニュースでは、「労使双方の代表が・・・」なんて言ってることがあるが、春闘の対象になるような人たち(連合などの組合員)は大企業の正社員で構成されていて、全労働者のごく一部の人たちだけだ。俺たち非正規雇用はそんな組合員の雇用を守るための犠牲になっているから、むしろ利害が対立していて、春闘で彼ら組合員の給料が上がりすぎると、逆に俺たちの雇用が危なくなってしまったり、下請け企業が「代わりはいくらでもいるぞ。」とさらなるコストダウンを要求される可能性もある。組合員は最低賃金など無関係なくらい高い給料をもらっているが、そんな強い人たちをマスコミはなぜ「労働者の代表」などと報道し、応援するのだろう? 毎年春闘のニュースを見るたび腹立たしい。

 

正規雇用の俺にとって、収入を上げたければスキルアップして難しい仕事に就くしかないのだが、やってる仕事は毎年同じで、給料下がることもクビになることもない組合員が、ロクにスキルアップもせず「もっと楽させろ。もっと給料上げろ。俺たちの雇用を守れ。」と要求している姿は海外からはどう見られているのだろうか。

 

もう、春闘年功序列も終身雇用もやめて、プロ野球選手みたいに全労働者を有期雇用制にして、毎回契約を結び直すように制度を変えたらどうだろう? SDGs(持続可能な開発目標)なんて言葉があるが、年功序列 終身雇用など到底持続不可能だ。定年まで賃下げも解雇も禁止し、定年になってやっと辞めてくれるかと思ったら雇用延長で70歳まで雇えなんて雇う側にとっては悲劇だ。そもそも、年功序列や定年などは年齢差別ではないのか? 国は、「年齢差別はやめてください。」とお願いしているクセに、履歴書に生年月日を書かせていることを放置しているのもおかしい。

 

年齢差別もそうだが、やってる仕事は同じなのに給料が上がると言うのもおかしい。10年 20年と勤めていたら、下手すりゃ入社したときより給料が2倍になることがあるかも知れないが、その差額はどこから持ってくるのか。JR九州ダイヤ改正で運転本数を減らし過ぎて問題になっているが、職員の給料が上がり続けているのに売り上げは変わらないから、代わりにコストを下げるために仕方なく減便したのではないか。これを解決するには実に簡単なことで、やってる仕事の内容に給料を設定するという職務給を導入すればいい。日本も年功序列 終身雇用や年齢差別をやめて、海外みたいに職務給を導入して世界標準に合わせて行かないと日本はどんどん取り残される。

 

たまーに、「職務給は同一労働同一賃金だろ。そんなものは共産主義だ。」と主張する人たちもいるが寝言もいい加減にしろと言いたい。医者やプロ野球選手のように、「この職業だったらこのくらいの収入があるから俺は将来この職業に就きたい。」というののどこが共産主義なのか。年齢が同じならどの職業でも給料が同じと言う方がよっぽど共産主義だろう。俺も共産主義は大嫌いだが、これは共産主義を憎むあまりに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とばかりのこじつけとしか言いようがない。このような人たちはほっとけばいい。