氷河期世代のぼやき

言いたい放題

非正規雇用が急増したのは正規雇用を守るための弾除けが必要だったから

また 小泉・竹中は悪という記事に対して、ピントのずれたコメントが寄せられている。

 

news.yahoo.co.jp

 

どうやら、「小泉・竹中のせいで格差が拡大したが、記者としてその片棒をかついでしまった。」という記事に対して、「小泉・竹中はけしからん。」というコメントが寄せられているようだ。

 

小泉・竹中時代に派遣労働の規制緩和がなされたのは事実だろうけど、それは正規雇用者を賃下げや解雇から守るために仕方なくやったことなのではないか。会社の売り上げなんて来月どうなるかも分からないような不安定なものなのに、正規雇用者の賃下げや解雇を禁止している今のルールがおかしいから、小泉・竹中がなんとかしてこのルールを変えようとしていたのだが、当時は団塊世代が定年直前で、数が多く声も大きいこの世代を無視することはできず、彼らを守るために非正規雇用側だけの規制緩和が実現してしまったように記憶している。

 

コメントを見ると、「安上りでいつでもクビにできる派遣労働」なんて勘違いしている人を見かける。でも、派遣社員自身はそんなにもらってないかも知れないが、派遣先は派遣元に対して手数料を含めた金額を支払わなければならないから決して安くはない。ではなぜそんなことをするのかというと雇用調整のためだ。会社の売り上げは不安定なものなのに、正規社員に対しては安定した給料を支払い続け、しかもクビにもできないとあれば、正規社員の周辺に非正規社員を弾除けとして配置しなければならない。

 

これを解決するには実に簡単なことで、正規社員にも賃下げや解雇をやりやすくすればよい。会社の売り上げは不安定で雇用調整が不可欠なのに、正規という枠を作ってそこを規制でガチガチに固めるから、規制から逃れるために非正規ができた。

 

規制から逃れようとするのはビールや軽自動車などが典型で、ビールを規制するから発泡酒ができ、発泡酒を規制するから第三のビールができた。でもアルコールの度数で課税すればこんな問題は起こらなかった。軽自動車だって、普通車を規制するから軽自動車ができたわけで、サイズや排気量ではなく、燃費で課税すればよかったのではないか。イギリスでは窓に税金をかけた時代があったそうだが、その時代は窓のない家が多かったらしい。

 

このように、規制をすればするほど規制から逃れようとして奇妙なものが生み出されるから、正規/非正規関係なく、柔軟に雇用調整できるようにすればよい。雇用調整が簡単な海外では非正規雇用は日本ほど問題になっていない。プロ野球選手に正規と非正規の区別があるだろうか。いい加減、正規や非正規の身分制はやめるべきだ。

失業中は金曜が嫌いで月曜が好きになる

俺には6年以上無職で一人暮らしの友人がいる。6年前の時点で貯金が250万円ほどあると言ってたが、その友人は車を持っているから、一人暮らしで家賃、食費、光熱水費、通信費、車の維持費などどう安く見積もっても月10万円はかかって、250万円の貯金など2年で底をついているはずなのに、一体どこからお金が沸いているのか疑問に思う。

 

厳密に言うと、無職かどうかははっきりしてないのだが、「お前 仕事何やってるんだ?」などと問いただすわけにもいかないし、会うときはいつも平日だし(こっちは有休を使う)、普段も平日に出歩いているようだからどう見ても仕事しているようには見えない。

 

だから、貯金が無くなったと思われる時期からどうやってお金を得て生活しているのか気になっているのだけど、借金をしているとか、親から仕送りを受けているとか、離婚した元奥さんから慰謝料もらっているとか、インターネットで収入を得ているとか、宝くじが当たったとか、あとはこんなことはないとは思うけど空き巣をしているとか。

 

借金については最初は喜んで貸してくれるだろうけどある程度の期間が過ぎると「金返せ」と迫ってくるだろうから考えにくいし、仕送りについては40過ぎた子供に仕送りする親などいないだろうし、離婚の慰謝料についてはあっても月数万円程度だろうし、ネット収入についてはパソコン持ってないからなさそうだし、宝くじはそんなに当たるものじゃないし、空き巣に入るような行動力や勇気があるようには見えないし、かと言って「お前 どうやって生活しているんだ?」なんて聞けない。一番現実的なのは仕事してないように見えて実は夜にアルバイトしているなんてことも考えられるけど、どうやっても働いているようには見えないし、その割には金に困っているようにも見えないし、謎だ。収入源を問いただすわけにもいかないし、かと言ってこの問題を放置しているとそのうち「金貸してくれ」なんて言われかねないし、頭の痛い問題だ。

 

それはともかく、よく6年も無職でいられるものだと思う。俺も人生で何度か失業したことはあるが、最初の一週間くらいは遅くまで寝ていられるし、自由でどこへども行けるから、うろうろしたりするけどすぐに飽きてしまい、次の週から仕事を探すようになる。でも、職探しを始めたからと言ってすぐに決まるわけではなく、応募できる仕事が見つかるまで時間がかかるし、応募しても採用試験を受けるまで待たされるし、試験を受けても合否が分かるまでまた待たされる。そうこうしているうちに1カ月、2カ月と過ぎてしまい、たとえ雇用保険の給付を受けていたとしても早く仕事したいと思うようになる。

 

普通に働いているときは、誰だって休みの前の日が一番楽しくて、仕事が始まる日が一番嫌になるもので、金曜が好きで月曜が嫌いになるものだが、無職だと、金曜になると「今週は何も動きがなかった」と気付いて嫌な気持ちになり、月曜になると「今週は何か動きがあるかも」とワクワクするから、逆に金曜が嫌いで月曜が好きになる。特に最悪なのがGW、盆、正月などの長期連休で、連休に突入したら決まってテレビやラジオがサービスエリアや駅・空港などで「どこから来ましたか。どこへ行くんですか。連休中どうやって過ごしますか。」などとインタビューしている。そんなインタビューを見るたびに無職で何もすることがない俺は暗い気持ちになる。しかし、連休が終わると職探しに進展があるかもしれず、逆に明るい気持ちになる。

 

幸いなことにもう9年近く同じ会社で働けているが、友人はよく6年も無職で平気でいられるものだと逆に関心する。体調が悪くて働けないなどの事情があるのなら仕方ないが、憲法に勤労・教育・納税の義務が規定されているから、働けるのに働かないのは憲法違反だ。国を愛する気持ちが少しでもあるのならまずは働けと言いたい。

GW・盆・正月が混むのはいいことなのか?

GWは実家に帰省していた。久々に行動制限のないGWになったということで空港やターミナル駅はどこも人でいっぱい。高速道路も渋滞していたようで、テレビでは「普段通りのGWが戻ってきた」とうれしそうに混雑する様子を伝えていた。

 

しかし、同時に、「GWや盆・正月が混むのは本当にいいことなんだろうか? そんな時期に働いている人たちは混まない時期はどうしているのだろうか? なぜ、特定の時期だけ混んでいて、それ以外の時期は閑散としているのだろうか? 」とも思った。

 

2010年ごろの民主党政権時代に、日本をいくつかのブロックにわけて長期連休を分散化させようと検討されたことがあった。しかし、国全体がばらばらになるとか、ブロックをまたいで工場や支店のある会社などはこっちは休みなのにあっちは仕事なんてことになり、結局誰も休めなくなるなどの意見が出され、実現することはなかった。

 

しかし、このような検討がされたことは今となっては完全に忘れ去られたことではあるが、いいことだったのではないかと思う。日本のようにみんないっせいに働き、いっせいに休むようだと、サービスを提供する交通機関や宿泊施設などがピークに合わせたキャパを用意しなければならなくなり、ピークではないときはもて余してしまい、無駄が多くなる。一方、休む側は休日にどこに行っても人がいっぱいで結局疲れてしまい、普段通りに仕事しているほうがよかったなんてこともある。

 

これが、休日を分散させることができれば、サービスを提供する側は年間を通して平均的に業務を行うことができるし、休む側はすいているときにサービスを利用することができるし、いいことずくめのような気がするが、なかなか実現しない。

 

それはやはり、日本の硬直した労働雇用慣行があるように思う。日本では賃下げや解雇などの雇用調整が難しいから人はなるべく少なくして、その少ない人たちに目いっぱい働かせようとする。そうするとどうしてもいっせいに働いて、いっせいに休むことになってしまう。だから、有給も取りづらいし、働きすぎの状況をなんとかしようとして国は祝日を増やし続けてきた。

 

そんなことしなくても、雇用調整をやりやすいようにしてくれれば誰かが休んでもいいように少し多めに人を採るだろう。そうなれば祝日も今のようにたくさんはいらなくなる。さすがに天皇誕生日建国記念の日くらいは残してもらいたいが、それ以外の祝日は廃止して、その分を有給に回してもらいたい。

 

どうせなら、これは極論になるが、今は大きな会社だと年間休日数は125日くらいだけど、日曜と天皇誕生日建国記念の日は休みにして、それ以外を有給にするくらいのことをしてもいいように思う。これに現状で毎年加わる有給10日を加算して、有給は年間80日で、日曜と天皇誕生日建国記念の日55日を足すと135日で今とイーブンになる。これはさすがに無理がありそうだが、もしそうなれば会社の稼働日が増えて雇用も増えるから、俺の理想はこちらだ。

 

「そんなことすると休暇を取って地元に帰省しても地元の知り合いの休みが合わずに会えないじゃないか」と反論されるかもしれないが、そんなときはその知り合いも一緒に休みを取ればいい。

引っ越しで困る歯科と美容室

おとといの夜 、夕食を食べていたら歯の被せ物が取れてしまった。俺は1日に4回 歯磨きをしていて、歯は大事にしている方だと思うが、ここ20年ほどの間はほぼ毎年のように被せ物が取れている。おそらく、高校が男子校だったから高校生のときに月1回くらいしか歯を磨かなかったのが今になってたたっているのではないかと推測しているが、被せ物が取れるのと同時に引っ越しもしていることが多いから、毎回 歯医者を探すのが大変だ。

 

俺は人生で20回くらい引っ越しをしているが、引っ越しで一番困るのが歯科と美容室で、地味に困るのが郵便ポストの場所だったりする。郵便ポストは一度見つけてしまえば2回目以降は行って投函するだけでいいが、歯科と美容室は相手とのコミュニケーションが必要だし、当たり外れがあるからこのふたつが最もややこしい。

 

美容室に関しては、最初に要望を伝えるだけであとは話はしなくて良いし、早いし、料金も安くて、場合によってはsuicaが使えたりする格安カットの店を3年ほど前から利用している。出来栄えに多少のばらつきはあるかも知れないが、今のところ大きな不満を持つようなことはなかったから、今後も格安カットを利用したい。

 

ところが、歯科に関しては、被せ物がいつどうやって取れたのかとか、痛みはあるのかどうかとか、この歯だけ治療するのか、それとも他の歯も治療するのかどうかとかいろいろコミュニケーションが必要だし、うまい 下手があるから下手なところに当たってしまうと最悪だ。下手というのは言い方が悪いかもしれないが、9年前の引っ越しでは引っ越し後に行くことになった歯科で、被せ物が合わなくて翌日には違う被せ物にしたり、治療が雑で歯茎から菌が侵入して膿がたまってしまい、頬が腫れて39.4℃の熱が出たりとひどい目にあった。

 

だから、1~2カ月おきには必ず行かなければならない散髪は仕方ないが、歯医者にはなるべく行きたくない。ところが、毎年のように引っ越しをしながら、毎年のように被せ物が取れるから、引っ越し後、その次の引っ越しまでの間に歯医者には必ず行くことになる。そのたびに、自宅に近いところがいいのか、それとも職場に近いところがいいのかなどいろいろ悩んでからエイヤっとばかりに歯科に連絡を入れるが、電話応対が素っ気ないわりには治療は良かったり、逆に電話応対は丁寧なのに治療がイマイチだったりとばらつきがあって非常に難しい。

 

ワニのように一生の間に何千回も歯が生え変わるのならいつも健康な歯でいられるから楽なんだけど、 せめて 乳歯から永久歯への生え変わりを30歳くらいにできないものか。そうすれば生え変わった歯が悪くなる前に大事にできると思うのだが。

景気が悪いことを若者のせいにするな

2013年ごろ、派遣先が携帯電話メーカーだったときに、職場でバブル世代のおっさんと入社2~3年の若手の間でこんな会話が繰り広げられたことがあった。

 

バブル「お前 どんな車乗ってる?」

若手「〇〇です。」

バブル「そんな安い車乗るな。もっといい車買え。お前ら若物が金使わないから景気悪いんだ。もっと金使え。」

 

俺はその会話には巻き込まれなかったが、「このおっさんは何を寝言言ってるんだ。若者が金使わないから景気悪いんじゃなくて、景気悪いから金使わないんだろ。」と思った。そんなに金を使って欲しければ、既得権まみれのバブル世代が会社を辞めて若い人たちに道を譲ればいい話だろう。

 

はっきり言って、バブル世代はいい会社に内定をもらって、車買ってもらったりホテルでバカ騒ぎしたりしてロクに努力もせずにおいしい思いをしてきて、口だけ達者で能力ないくせに権力だけ持っているイメージしかない。一方、俺たち団塊ジュニア世代は人口が多いのに社会に出る直前にバブルが崩壊し、民間企業はおろか公務員の求人も少なかった。だから、俺たち世代が就職活動していたときは求人は少ないのに求職者がたくさんやってくるのを処理するためにとにかくどんどん落とそうとして圧迫面接などが行われたりして、社会から歓迎される状況ではなかったように記憶している。

 

携帯電話メーカーにいたときに限った話ではないが、どの派遣先も氷河期世代は少ないのにバブル世代はうじゃうじゃいた。バブル世代の中には、いろんな部署に出向いていっておしゃべりしているだけの人など、何をやっているのか分からない人もいた。そして、そんな人たちに限って、働きに見合わない高い給料をもらいながら、法律でガチガチに守られている。携帯電話メーカーにいたときは、「こんな機種売り出したところで誰が買うの?」と言った訳の分からない機種も売ってたが、これはおそらく多すぎる社員に仕事をさせるため売れないと分かっててもやらざるを得なかったのだろう。バブル世代など半分クビにしたところで会社は回ると思うが・・・

 

自らは法律でガチガチに守られておきながら若者に道を譲らず、若者から搾取しているクセに、景気が悪いことを若者のせいにするなと思う。

派遣先は法律や契約を守れ

俺は品質管理検定 1級(QC検定と言われることが多い)の資格を持っている。なぜこの資格を取ったのかと言うと、以前 派遣先が携帯電話メーカーだったときに、どんなにクオリティを高くしても品質保証部が粗探しばかりして、なにかにつけ文句ばかり言っていたから、「品質管理検定の資格を取って、こいつらを黙らせてやろう。」と思ったのが始まりだった。

 

最初は「2級くらい取れればいいや。」のつもりでいたが、まず3級に挑戦したところ一発合格で、次に2級に進んだところ、これも一発合格だった。

 

だから、「これ、もしかして1級いけるんじゃね?」と欲が出てしまい、1級に挑戦したが、1級はやはりかなり難しく、何度か挑戦した結果、やっと合格することができた。

 

そんな中、品質管理検定の勉強をしていて、「品質保証とは、何なのか。」考えることがあった。品質保証とは何かを小泉進次郎に質問するとおそらく、「品質保証とか何か。それは、品質を保証すると言うことです ( ̄ー ̄)。」という解答にもなってない解答が出てくるだろう。あるいは、岸田首相だったら、「品質を保証するという観点から総合的に勘案し、さまざまな事態をしっかりと検討しながら自ら判断していきたい。」と答えそうだ。しかし、品質保証とは実に単純なことで、結局は「相手との約束や契約を守る。」ことに尽きるのだと思う。電子部品メーカーだったら、「このようなスペックを持ったデバイスをいつまでに何円で納品します。」といった契約をするだろうから、それを相手に保証するのが品質保証だろう。

 

ところが、どの派遣先も、お客様に対しては契約を守ろうと努力するが、受け入れている派遣社員に対しては、契約を守らなかったり、契約以前に法律を守らなかったりなど、メチャクチャなことを平気でやっている。

 

具体的には身元に関する書類を提出させたり、契約にないことをやらせたりと言ったところだが、派遣先が派遣社員の個人情報を収集することは法律で禁止されているし、派遣だろうが正社員だろうが、契約にないことをやらせるのはおかしいだろう。

 

まず、個人情報収集について

 

初日に、生年月日・住所・電話番号・家族構成・実家の連絡先などを書かせる派遣先がときどきあるが、派遣先が派遣社員の個人情報を収集することは法律で禁止されている。ところが、派遣先も派遣社員もそんな法律があることは知らないから何の疑問もなく提出している。どうしても提出が必要であれば、目的と目的外には使用しないことを明言して、同意できる場合のみにすべきだろう。あと、履歴書や職務経歴書を求めてくる派遣先があるかも知れないが、応じる必要はない。

 

次に、契約にないことについて。こちらはたくさん事例があって

 

他部署の業務をやらせたり、始業前の朝礼やラジオ体操をやらせたり、など。俺個人の体験であるが、携帯電話メーカーにいたときに、他メーカーの機種を受託生産することになって、そちらの業務も行うことになったが、そのラインは別の事業部のため契約にない部署での業務ということになり「契約にないことをやらせるな。」と抗議したことがあった。あと、遅刻を避けるために契約時間より早く出社したら、「今すぐこれをやれ。」と指示されたり、契約時間前に朝礼やラジオ体操するところもあった。

 

あと、最近はコロナ対策で、食堂の利用を分散させるため時間を指定したり、初日より前の行動記録を提出させたりするところもあった。食堂については、昼休みは12:00~13:00だけど、食堂利用は12:15からというところがあったが、「コロナ対策で食堂利用を分散させるという事情は分かる。だったら昼休みを12:15~13:00にすればいいだろう。そうすれば15分早く帰れるし、いいことずくめだ。」と意見を言ったら、「それだと会社の規則を変える必要があるから難しい。」と回答があった。規則と言うのは実態に合わせて変えていくものだし、規則が実態に合わなくなったらさっさと変えるべきだが、なぜ日本は規則を変えるのを嫌がるのだろう。そんなことだからこの国は憲法ひとつ変えることができないのではないか。食堂利用の制限については強制ではなく、あくまでお願いらしいが、何でもお願いで済ますのは改めるべきだ。

 

行動記録については、契約初日から派遣先の指揮・命令に従う義務が発生するのに、それより前の行動記録を提出させるのは、契約にない期間について命令していることになる。これについても抗議したが、「協力いただけませんか?」と言われたからしぶしぶ協力したが、実際とは全然違う行動記録を提出した。全然違う行動記録を受け取って派遣先は何がしたいのだろう?

 

この国は、強制ではないものの法律や契約にないことをお願いベースで協力させられることがよくある。お願いで済ますのではなく、法律や契約を守ってさえいれば問題ない代わりに守ってなければ罰を受けるという世の中に変えていくべきだ。

我が子の不幸を喜ぶウチの親

俺は97年に大学を卒業するまで実家に住んでて、500kmほど離れたところに就職した。正社員で就職できただけでも氷河期世代の中ではマシなほうだと思うが、3年ほど勤めたところで取引先が事業を撤退することになり、そのあおりを受けて退職勧奨され、退職し、実家に帰ることになった。

 

それなのに、辞めて実家へ帰ることになったら、「地元へ帰れてうれしいだろう。これでホッとするだろう。」と親は大喜びだった。仕事を辞めさせられてしぶしぶ地元へ帰るのがうれしい人なんていないのに、我が子が仕事を辞めさせられるという不幸がそんなにうれしいのだろうか。せめて、「残念だったな。一旦地元へ帰ってやり直そう。」くらいの反応にはならなかったのか。

 

会社はそのままで、地元への転勤だったら喜んでもおかしくないが、地元はかつて石炭が採れてにぎわったところで、国のエネルギー政策転換の影響を受けてまともな仕事がなく、高齢化率も高くて、まともな収入の得られる仕事など医療系くらいしかない。しかも退職したのが2000年3月だったから、就職状況が一番悪かった時期だ。そのときはまだ25歳だったから、景気が良ければまだなんとかなったかも知れないが。

 

それに、住み慣れたところの一人暮らしから、実家での生活に戻ってしまったから、家に他の人がいるというのが苦痛で仕方なくなり、3カ月ほどで600kmほど離れたところの派遣の仕事を選んでまた実家を出て行った。

 

そこは2年ほどいて実家に戻り、しばらく地元にいたもののまた地元を離れたり、また地元へ戻ったり、を何度かくり返して、今は地元から1200km離れたところで派遣社員として働いている。地元に仕事がないから結局いつまでも遠方で派遣社員のままだ。あれからすでに22年過ぎたけど、会社を辞めさせられてしぶしぶ地元へ帰ることを親が大喜びしたことは忘れられない。親の世代なんて、今と比較すると税金や社会保険は非常に安かったし、特に努力しなくても今聞いたらびっくりするような大企業に就職できた時代だった。俺だってそんな時代に生きてりゃ、最初の会社を3年で辞めてもいくらでも再就職先はあっただろう。そんな時代に生きて、何不自由なく就職した親が氷河期世代の俺の退職を喜ぶなんてどういうことだ。だったら、俺だって今後訪れる親の不幸を俺も喜んでやってもいいよ。

 

親の不幸というのは死のことだから、さすがにそれはなく、なるべく元気に長生きして欲しいものだとは思う。母親は4年前に他界していて、父親は実家に一人で住んでいる。今のところは元気だが、今後どうなるかは分からない。数年内に入院したり、施設に入所したりといった事態が発生するだろうが、俺は非正規雇用とは言え、そこそこの収入があるから、親の世話という、生産性ゼロの作業のために、仕事を辞めて実家へ帰るようなことはしたくない。ただでさえずーっと非正規雇用で苦しんでいるのだ。これ以上、親の世代は子の人生を奪うのをやめてほしいものだと思う。

 

しかし、実際に親の世話の問題が発生したときは長男である俺が担当することになりそうな気がしてならない。俺には弟がいるんだけど、弟は親戚の紹介で入った会社に勤めててすでに高校生の娘がいて、実家から1kmほどの場所で一軒家を買って住んでいるから、所帯を持っている弟より、持ってない俺が担当することになりそうな気がしてならない。この問題は今後もめそうだから、父親が元気な今のうちに地元への転勤希望を出しておいた方がいいかも知れない。でも今の派遣先は正社員登用すると言っていて、そうなると年収は200万円は上がるから、それを蹴ってまで地元へ転勤するのがいいのか、それとも今の派遣先にとどまった方がいいのかかなり悩む。今月終わりごろには次の契約更新をどうするか希望を派遣元から聞かれるから、それまでには結論を出さなければならない。このような問題は、どっちが正解なんてないから、えんえんと悩み続けることになりそうだ。