氷河期世代のぼやき

言いたい放題

労働者の本当の敵は誰か?

俺は派遣社員としていろんな派遣先で働いてきたが、大体どの派遣先でも年が明けたころから春闘に向けた組合活動が活発になるみたいで、よく昼休みや定時後に組合員が集まって集会をやっている。

 

俺は派遣社員だから関係ないが、どんなことをやっているのか聞き耳を立てていたら、大体どこも「生活不安解消のため〇〇円の昇給実現を・・・」とか言っている。労働組合なんて「もっと楽させろ。もっと給料上げろ。俺たちの雇用を守れ。」くらいしか言うことないだろうし、わざわざ集会などやらなくてもいいような気もするが。

 

大きい会社では、必ずと言っていいほど労働組合がある。おそらく連合への加盟率も高いだろう。そんな労働組合は「正社員の権利を守る。」ということを目的としているし、売り上げが下がって雇用調整が必要となったときは非正規雇用を最初に切ることで正社員の雇用は守られる。でもこれは、整理解雇の4要件の中で求めていることだから仕方ない。お上が、「正社員よりも先に非正規雇用を切れ。」と要求しているわけだ。

 

だから組合の強い大きな会社に限って組合員の雇用を守るため派遣などの大量の非正規雇用を受け入れている。この時点ですでにそうだし、非正規雇用は食堂の利用がダメなど差別している会社もあるみたいだから、正社員が非正規雇用を搾取しているのは明らかだと思うが、保守もリベラルも「小泉 竹中が悪い。」とか「給料の安い非正規雇用を増やす強欲な経営者が悪い。」と言ってしまいがちになる。

 

ここで指摘しておきたいのは、非正規雇用を活用するのは給料を安くするためではなく、雇用調整をするためだ。特に、派遣社員だったら、本人の年収が400万円くらいだと派遣先は700万円くらいは負担するから決して安くはない。それでも派遣などの非正規雇用を使いたがるのは、非正規雇用は期限を決めて使っている以上、いらなくなれば契約更新を断ればいいだけなので経営状況に合わせて雇用調整がやりやすいからだろう。

 

そもそも、日本企業の経営者は新卒で入った生え抜き経営者ばかりだから、社員の給料を安くしてもうけてやろうなどとは考えていないし、もしそんなことしたら社員が逃げ出してしまうから、「強欲な経営者」は間違っている。

 

「小泉 竹中が悪い。」と言う人については、俺から言わせるともはや「ちょっと何言ってるか分からない。」レベルだ。小泉 竹中は正社員がガチガチに守られ過ぎているから、その保護を緩めようとして雇用を増やした。第一、小泉 竹中時代に失業率もジニ係数も改善している。

 

だから俺は、自身の既得権を守り、非正規雇用から搾取する連合などの労働組合こそ労働者の本当の敵だと思っている。連合など、労働者の代表でも何でもなく、単なる「大企業正社員の代表」だ。それと、そこから票をもらっている政党=立憲民主党や国民民主党も敵だろう。立憲はクズの集まりでどうしようもない政党だが、国民民主党憲法改正に前向きな姿勢など、一部に支持できるところはある。しかし、連合から票をもらっているから、俺たちのような非正規雇用にとっては信用できないところもある。

 

日本は民主主義だから、世の中を変えるには選挙から。そういう意味では、俺たち非正規雇用にとって最大の利益となる雇用の流動化を訴えている日本維新の会くらいしか支持できる政党はない。ところが、維新はなぜか保守に嫌われているんだけどなぜだろう。俺はかなり保守的な方なんだが。

これ以上 時間やお金を搾取するのはやめてくれ

以前 携帯電話メーカーに派遣されていたときに、新機種の開発スタートに合わせてリリースされた社内向け資料に、「この世代の人口が多いから、この世代の消費動向に合わせた戦略を立てて魅力的な商品開発を・・・」というような記載があった。

 

人口が多い世代というのは1971~74年生まれの団塊ジュニアあたりを指しているのだろう。「そうか、俺は74年生まれだから消費のターゲットにされているんだな。」と思ったが、一方で「職も金もない俺たちをターゲットにしたところでうまくいくのかな? そんなこと言ってる携帯電話メーカー自身が俺たちの世代を全然採用してないじゃないか。」とも思った。最近は教員が不足しているとか、40代の働き盛りが少ないとか言ってるが、俺たち団塊ジュニアを含む氷河期世代を排除してきた結果じゃないか。職は与えないくせにモノやサービスを買わせて時間や金だけを使わせようなんて寝言言うのもいい加減にして欲しい。

 

あと、以前別のところに住んでたときに、契約しているプロバイダ(BB.excite)からひかりTVを契約して欲しいと勧誘の電話がかかってきたことがあった。勧誘などの営業電話自体がこちらの都合に関係なくかかってきて、出るときにはどんな要件かも分からず、相手は給料もらってやってるからいいけど、こちらはタダで電話に出て、出たら出たで一方的に時間を奪われるだけだから嫌なのに、「ひかりTVに入るとこんないいことがあるからぜひ契約してくれ。」と言う。

 

俺はそのとき片道80分ほどの電車通勤をしていたからテレビ見る暇などないと伝えると、「スマホでも見られるから通勤中に見ればいい。」と言う。さらに、テレビ自体持ってないことを伝えると今度は、「HDMI端子付きの液晶ディスプレイくらい持ってるだろうからそれで見ればいいだろう。」と言う。そもそも、契約をしないことに理由は必要ないから、契約できない理由を言ってるだけでもありがたいはずなのにこちらの都合に関係なく「契約して欲しい」の一点張りでとにかくしつこい。なかなかあきらめてくれないから、会話の途中で初期契約解除が可能と言ってたことを思い出し、「一旦契約後、即初期契約解除してこの担当者に恥をかかせてやれ」と思いついたからとりあえずは契約すると伝えて電話を切った。

 

数日後、クロネコひかりTVのチューナーだけ先に届けてくれたが、「どうせすぐ送り返すものをわざわざ届けさせられて気の毒だな。」と思った。さらにこの数日後にひかりTVより案内のパンフレットが届き、初期契約解除の方法について記載があったから即手続きを取った。そうするとプロバイダからチューナーの返却について案内メールが届いたから「いらないと言ってるものを無理やり契約させられて頭に来ている。」と返事したら謝罪の返信があった。いらないと言ってるものを無理やり契約させるから、チューナーを受け取ったり返却したり契約解除の手続きを取ったりと無駄な時間を取らされた。もし、初期契約解除を忘れていたらとんでもないお金の無駄使いになっていただろう。

 

NHKだってそう。俺はレオパレスに住んでるから、部屋の備品でテレビはあるけど見ないから押し入れにしまってある。だから、受信設備を設置していないということで契約の義務はないと思うが、そもそもNHKの地域スタッフがやってきたところで一切応答せず、居留守で通している。「出てこい」とばかりに玄関を何度もドンドンと叩かれたら、防犯ブザーを鳴らして追い返すことにしている。

 

車だって維持費が高過ぎるから持たないことにしているし、服や靴もいつも同じものばかり使用している。趣味らしい趣味も特になく、あえて言えば自作PCを3~4年に一度組むくらいで、生活するのに必要な最小限度のことにしかお金は使わない。そんなのつまらないだろと言う人も多いと思うが、生きていくためにはきれいごとばかり言ってられないし、俺は気にしない。

 

あと、大きなターミナル駅に行ったりしたら、ときどき募金をお願いされたり、高額な絵を買わせるべく絵はがきを渡されたりする。高額な絵など買う余裕などないし、氷河期世代の俺に募金しろなんて言ったところで、俺が募金して欲しいくらいだから募金もスルーする。

 

以前は社会貢献のつもりで年に2~3回献血に行ってたが、献血もやめようと思う。だって、俺はB型だけど、B型はいつも余ってて歓迎されないし、俺たちの世代から雇用を奪った上の世代になんで協力してあげなきゃならないのかと思うとばかばかしくなった。

 

正規雇用で過ごしてきた二十数年間について、キャリアを積む機会やもらえるはずだった給料を考えると失った時間やお金はどのくらいか定量化することはできないが、これ以上 俺たちから時間やお金を搾取するのはやめてくれと思う。

教員不足? 氷河期世代を排除してきたツケでは?

どうやら、全国の公立学校で教員不足が問題になっているらしい。

 

教員不足、ハローワークに求人も…授業できない事態に現場悲鳴「毎日電話で頭下げてる」 : ニュース : 教育 : 教育・受験・就活 : 読売新聞オンライン

 

おそらく、定年退職した上の世代の抜けた穴を人数の少ない氷河期世代では埋めきれず、若い人をたくさん採ることで埋めようとしているのだろうけど、新卒はいくらでも就職先があるから、しんどくて給料が安いというイメージのついてしまった教員に応募する人が少なくなっているのではないか。

 

でもこれは、バブル崩壊後にあわてて採用を絞り、氷河期世代を排除してきたツケが出ているんじゃないの? 教員なんて民間企業みたいに急激に売り上げが増えたり減ったりするものじゃなし、人口動態に合わせて採用計画を作成し、そのとおりに採用をしてきたらこのようなことにはならなかったと思うのだが。

 

俺は教員免許を持ってないが、おそらく同世代で教員になりたいのになれなくて、泣く泣く別の職業を選択した人も多いのではないだろうか。その人たちは、25年ほど経った現在で教員が不足しているなんてふざけるのもいい加減にしろと怒っているだろう。でも、いくら不足していると言っても教員免許は持っているけど教員経験のない40代など採用しないだろう。

 

3年ほど前に旭化成の会長が「40代が少ない」と言ってぼやいていて、それに対して「それはお前らが採用しなかったからだろうが」という怒りの声が上がっていた。自分たちがせっせと氷河期世代を排除しておいて、今さらなにを寝言言ってんだと思う。

 

それにしても、教員は大変な職業だと思う。教員に採用されたときの契約書にどのようなことが記載されているかは分からないが、俺はアングロサクソン以上に契約を重視するから、契約にないことは絶対にやらないと決めている。だから勤務時間外の職場の集まりなど一切参加しない。俺がもし数学の教師になりたくて教員に採用されて、数学以外のことをやらされたら多分やめてしまうだろう。 でも、やりたいことがあって教員になったのに関係ないことばかりやらされて激務な上に給料が安くて、嫌になっている先生も多いだろう。俺のいとこでも高校教師をやってたけど7年前に脳の病気を発症してしまい退職してしまった人がいるけど、おそらく激務がたたってしまったんだろう。

給料上げたければスキルアップするしかないのでは?

俺は高校生のときJRで通学していたが、毎年2月ごろになると春闘が始まり、3月ごろになるとJRがストを行うかもしれないというニュースが流れて、「なんでこの人たちはやってる仕事は同じなのに毎年給料上げろなんて要求しているのかな? 」といつも不思議に思っていた。その後、日本は職能給を採用していて年功序列という仕組みがあって、毎年給料が上がっていくことになっているから、毎年その額をめぐって春闘が行われていると知ったが、この春闘について海外の人が知ったらどう思うのだろう。

 

おそらく、高校生のときの俺とほぼ同じで、「なんでやってる仕事は同じなのに給料上げろなんて要求するの? 給料上げたければスキルアップして転職すればいいんじゃないの?」と思うのではないか。仕事の内容に給料が設定されている職務給が主流の海外ではそれが自然な見方だろう。

 

俺のような派遣社員もこの職務給に近くて、高収入を実現したければスキルアップするしかない。実際にはスキルアップして何か資格を取ったからと言って即給料が上がるわけではなくて、派遣先からの評価が高くなるとか、派遣先の候補が増えるとかが多いが、派遣先が見つからなければ退職することになるからスキルアップは不可欠だ。

 

だから、俺たち派遣社員は、今期の活躍で来期どうなるかが決まるプロ野球選手のようなもので、契約期間は3カ月の派遣先が多いが、この場合「来期3カ月の契約を結んでもらうために今期3カ月をがんばって成果を出す」ことになる。プロ野球選手のように急激に給料が上がったり下がったりはしないが、今期の活躍で来期どうなるかというところは共通している。

 

来期も契約を結んでもらいたい、来期の給料を上げたい、という思いでプロ野球選手はいい成績を残すべく必死になってスキルアップしている。こういった姿が生産性を上げ、引き換えに給料が上がるというサイクルだと思う。だから、給料上げたければスキルアップすればいいのではないか。

 

これが連合の組合員のように期間の定めのない雇用契約を結んでいて、毎年給料は上がり続け、クビになることもない人たちが、やってる仕事は同じでロクにスキルアップもしないのに「もっと給料上げろ」と要求するのは海外からは理解されないのではないか?  ただし、今からスキルアップに取り組むと言っても日本企業お得意の社内限定のガラパゴスなスキルではなく、いろんな会社で通用する汎用性の高いスキルである必要があるが・・・

「労働者は弱者だから保護しよう」という考え方が逆に弱者を痛めつける

イデオロギーの違いで人を保守かリベラルかで分けると、俺はどちらかというと保守に分類される側にいると思う。リベラルが一切批判しない、力による領土拡張と人権侵害を繰り返す中国は許せないし、そのような中国の後ろにある共産主義思想は危険な思想だと思っている。

 

しかし、以前のブログでも触れたが、普段「アベガー」と言ってるリベラルも、「アサヒガー」と言っている保守も、労働・雇用に関する考え方はほぼ同じで、この点に関しては妙に意見が一致している。

 

厳密に言うと、保守の9割とリベラルの10割が一致しているかなと言った印象で、保守の残りの1割ほどの方はまともな考え方のようだが、一致する点を分かりやすく言うと、「小泉・竹中は悪。」とか「労働者は弱者だから保護しろ。賃下げも解雇も絶対禁止。」と言ったところ。

 

「小泉・竹中は悪。」の主張に関しては、小泉・竹中時代に失業率もジニ係数も改善が見られるから違うだろうし、これに関しては後で別のブログで触れてみたいと思う。

 

もうひとつの、「労働者は弱者だから保護しろ。賃下げも解雇も絶対禁止。」に関しては、

 

「労働者は弱者」と言って、そのような人たちを正社員としてガチガチに規制すれば、失業者や学生など、これから働こうとしている人たちが排除される。あるいは、規制から逃れようとして非正規雇用が大量に生み出される。あるいは工場がどんどん海外へ逃げてしまう ような事態に陥ってしまうだろう。

 

まず「賃下げ」について。会社の売り上げなんて来月どうなるかも分からないから、賃下げなどの雇用調整は必要不可欠なものだと思うが、そのような原理・原則を無視した結果どうなったか。スカイツリーだって降りていいから登るのであって、降りてはいけないのだったら誰も登らない。給料も同様で、下げることを禁止すれば上げられなくなる。最近よく、「日本は給料が全然上がっていない。」と言った記事を良く見るが、「高いものを買ったら作った人たちの給料が上がるから高いものを我慢して買おう。」と言った精神論が多くて、「下げられないから上げられない。」給料の下方硬直性と言った根本的な問題を指摘している記事は少ない。

 

「解雇を禁止」に関しては、「おしっこやうんこをしてはいけない」と言っているのと一緒で、そんなことをやってしまうと、飲んだり食べたりしなくなるのと同様で、採用をしなくなってしまう。バブル期に食べ過ぎたり飲みすぎたりした企業は、バブル崩壊後に出したいのに出せないからあわてて飲み食いをしなくなり、そのしわよせで生み出されたのが氷河期世代なのではないか。

 

保守の1割くらいの人はこうした当たり前のことに気づいているかもしれないが、保守もリベラルも大多数の人たちは気付いてないから、労働・雇用に関するニュースがyahooで配信されると、コメント欄が小泉・竹中攻撃であふれかえるが、小泉・竹中を悪者にしても何も解決しない。まずは、賃下げや解雇などの雇用調整を労働者全体で受け入れることが先決ではないか。現状ではそれが非正規雇用に押し付けられているから、20年・30年と同じ会社で働く正社員がいる一方で、毎年のように辞めさせられる非正規雇用がいるし、日本企業の海外流出が進んで雇用が減ってしまっている。日本の半導体がジリ貧になってしまったのも、雇用調整ができないことの影響が出ているような気がする。半導体なんて波の激しい業界なのに、雇用調整を禁止されたらやっていけないだろう。

氷河期世代の不健康問題

人は誰でも歳を重ねると体のどこかにガタが出てくるものだけど、俺も40代後半になって尿酸値が高かったり貧血だったり血圧が少し高めだったりと言った基礎疾患を持っている。これまで何度も失業して酒を飲み過ぎる時期があったし、引っ越しや職場が変わることも20回近く経験しているからその都度大きなストレスを受け続けてきた影響が出ているのだろう。

 

正規雇用で低収入だと生活費のどこかを削らなきゃならないが、家賃、光熱水費、通信費、車の維持費などは削るのが困難なものの、食費は簡単に削ることができるから、非正規雇用・低収入の人は、朝はカロリーの高いチョコパイなどのお菓子、昼はこれまたカロリーの高い菓子パン、夜はスーパーの安売り弁当と言った食生活の人が多いのではないか。これだと確かに食費は安くなるが、このような生活を続けていると1年や2年は何とかなるものの、5年・10年と続けると体を壊してしまって医療費がかかってくるようになりそうだ。

 

幸いなことに、俺はまだ入院するような大きな病気にかかったことはないが、蓄えのない氷河期世代の人が急に入院するようなことになったらどうするのだろう。親や親戚に援助してもらうのだろうか。親や親戚が近くにいなくて一人暮らしだったらどうすればいいのだろうか。第一、健康保険には入っているのだろうか。

 

俺も以前、社会保険のない会社に勤めてるときに十二指腸潰瘍にかかったことがあって、たまたま受けた派遣先の健康診断でそのことを相談したら「病院に行ってください。」とあっさり言われてしまったが、「だから、社会保険に入ってなくて病院に行けない事情があるんだよ。」とは言えなかった。

 

十二指腸潰瘍のときは無保険だから病院には行けず、食生活の改善でなんとかなったが、おそらく、俺みたいに社会保険のない会社に勤めた経験のある氷河期世代の人も多いだろう。もしそんなときに盲腸になったりでもしたらと思うとぞっとする。国民皆保険などとっくの昔に崩壊している。会社を辞めて国保に入ろうとすると、会社員時代の2倍の保険料を支払う必要があるが、無職なのにそんなお金があるわけないじゃないか。

 

俺の母親は3年前に亡くなったが、父親はまだ元気であと2~3年は大丈夫だとは思うけど正直言ってどうなるか分からない。俺の方も3年後どこに住んでどんな仕事をしているかなど分からない。転勤で頻繁に職場が変わったり住むところが変わったりを繰り返してきてその都度ストレスを受けて健康状態があまり良くないから長くは生きられないのではないか。さすがに親より先に死ぬことはないだろうが。

氷河期世代は何のために生きてきたのか

俺は今日が誕生日だった。この歳になると誕生日など嬉しくもなんともないが、今までの人生振り返ってみて、何のために生きてきたのか、一度でも幸せな時期があったのか、さっぱり分からない。

 

中学生のときにバブル景気に沸いて、「このまま行けば、俺が就職するころにはウハウハだ。」と思っていたら高校生のときにバブル崩壊。大学に進んで何とか就職できたと思ったら97年に消費税増税。結局、新卒で入った会社は3年持たずに辞めさせられて非正規雇用で働くことになる。

 

2000年代前半は景気が悪く、2006年ごろになって団塊世代の大量退職が近づいてから雇用情勢は良くなるものの、恩恵はそのときの新卒だけで俺たちの世代には全く関係なし。そうこうしていたらリーマンショックがやってきて派遣切りの嵐が吹き荒れ、みのもんたに「派遣社員の道を選んだ人はなぜこうなったのか真剣に考えろ」と言われてしまう。

 

その後、政権交代が起き、民主党政権が誕生し、世の中良くなりそうな雰囲気に包まれたが、労働組合に支持されている政権のため、既存の労働者の既得権を守るばかりで、異常な円高やデフレなど、非正規雇用労働者にとっては安倍元首相がおっしゃるように悪夢の民主党政権だった。特に、一部の元国鉄労働組合員に一人あたり2200万円を支払うことを決めたときはあきれた。なんでも労働組合のいいなりになる政権なんだなぁ と。

 

悪夢の民主党政権は3年3カ月で終わりを告げ、第二次安倍政権が発足、アベノミクスがスタートする。アベノミクスの成果なのかどうかは分からないが、2015年ごろから雇用情勢が劇的に良くなって、失業率も下がってきた。しかし、これも以前と同様で、恩恵があるのはそのときの新卒だけ。すでに40代に突入していた俺たちには何の利益もなし。

 

このように、「なんかいいことがありそうだ。」と思っていたら、直前になってはしごを外されることが繰り返し起きてきたように思える。しかし、それも若いうちだけで、40代後半ともなると「いいことがありそうだ。」という期待が沸いてくることすらない。いろんな職場を転々とし、20回近い引っ越しをしてきたから未だに独身のままだ。それでも同世代の中では少しだけマシなほうだとは思う。

 

すでに氷河期世代の先頭は50代に到達していて、あと10年もすると生活保護が増えてくるだろうし、将来を悲観した人たちが犯罪や逸脱的行動に走ったりするケースも増えてくるだろう。上の世代からは雇用の調整弁として利用された挙句、「甘えてる。」とか「自己責任だ。」と批判され、下の世代からは「何で俺たちが氷河期世代の尻ぬぐいをしなきゃならないんだ。」と批判される。こうなると国全体の雰囲気が悪くなるし、社会の連帯みたいなものも失われてしまう。そのような未来が想像できてしまうから、今まで何のために生きてきたのかさっぱり分からなくなってしまう。雇用の調整弁にされ、搾取されるために今まで生きてきたのだろうか。