氷河期世代のぼやき

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勘違いするな 派遣社員は派遣先に採用されているのではない

派遣社員としていろんな派遣先で勤務してきたが、ほぼ間違いなく どの派遣先も「派遣社員を採用してやっている。」と勘違いしているし、派遣社員自身も「派遣先に採用されている。」と思っている人が多いように思う。

 

派遣先を決めるときは、担当営業と一緒に派遣先に出向いて行って、派遣先の指揮命令者やその上司と、打ち合わせや面談と称して、「弊社ではこんなことをやってます。あなたに担当いただく業務は〇〇です。」と言った説明を受けることが多いが、派遣先はこのことを「面接」とよく言う。それと、時々、複数名の派遣社員を打ち合わせに呼んで、一人だけと契約することもある。

 

しかし、この場合、派遣社員の事前面接は法律で禁止されているし、誰を送り込もうが派遣元の自由のはずだから、派遣先が「面接」という認識でいるのも、「この人は良くて、この人はダメ。」と選考するのもおかしいと思う。

 

だからと言って、打ち合わせはやってはいけないのかと言うと逆で、打ち合わせは必ずやった方がいいというのが俺の考えだ。"半導体のプロセス開発業務"とか、"自動車部品の品質保証"と言っても、現地に出向いて行かないと、職場の雰囲気など何も分からない。実際には、1回出向いて行ったところで分かることはごく一部で、全て分かるのは実際に働いてみてからではあるが、人の印象だって初めて会って最初の1~2秒で決まるように、契約する前に一度出向いて行くことが重要だと思う。それに、派遣先にしろ 派遣社員にしろ、契約してある程度時間が経過して、「こんなはずじゃなかった。」と短期間で契約終了になる可能性だってある。そんなときにもし、遠方から引っ越しでもしていたら引っ越しが無駄になってしまうから、打ち合わせである程度相手を見極めるのは仕方のないことだと思う。ただし、派遣社員は、刑事事件でも起こさな限りクビにできない正社員と違って十年、二十年と使い続けるわけではなし、ダメだったら契約更新を断ればいいだけだから、選考のハードルは低くなる。

 

あと、年齢を聞かれることはよくあるし、働き始めてから住所や電話番号などを提出させられることがある。年齢が個人情報に当たるかどうかは良く分からないが、派遣先が派遣社員の個人情報を収集することは法律で禁止されているのに、派遣先も派遣社員もそんな法律があることは知らないから何の疑問もなく提出してしまっている。別に収集しても良いが、そんなときは「こういう目的であなたの個人情報の提供をお願いします。目的外のことには使用しません。」と説明して、同意があった場合のみ提出するのが本来の姿だ。「じゃあ、派遣社員に連絡を取りたいときはどうするんだ。」と言われるかも知れないが、「法律で決まっているんだから仕方ないだろう。」と俺は個人情報の提出を断る。年齢にしたって、派遣社員は年齢で給料決まるわけじゃないし、年齢聞いて何の意味があるのだろう? いい加減、日本も年齢差別はやめるべきじゃないか。履歴書や職務経歴書の生年月日や年齢書く欄もさっさと廃止しろ。

 

業務時間外の飲み会やレクリエーションなども参加する必要は全くない。以前、派遣先で働き始めた初日に、歓迎会と称して飲み会に参加させられたことがあった。初日だから早く帰って寝たいし、酒飲まないし、知らない人と飲み会やっても苦痛だから嫌だったが、これから先のことがあると考えると参加せざるを得なかった。その点、今はコロナで飲み会が消滅してしまっているからせいせいしている。

 

そもそも、派遣社員と言う呼び方に無理があるのではないかと思う。派遣社員は派遣先に採用されている"社員"ではなく、あくまで外部の人間だ。社外からやってきて、契約してある期間、契約してある業務について、契約してある場所でのみ業務を行うことができる。派遣先は、派遣社員に対して何でも言うことを聞かせたいのであれば直接雇用すればいいのではないか。